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2011年5月30日更新

日本サッカー協会の収支推移

 

(株式会社オフィス921 景山晴喜)

 

 

 

(以下もご参照下さい)

再確認:新公益法人制度が2008年(平成20年)12月から開始

 

まとめ:スポーツ団体と公益法人改革

 

公益法人認定基準の計算例(日本パブリックゴルフ協会を参考にして)

 

 財団法人日本サッカー協会の正味財産増減計算書と収支計算書1 (後述のアカウンティング・サマリー参照)を、ポイントを絞って順番に要約してみます。まず、正味財産増減計算書と収支計算書を要約して並べてみると、以下のとおりとなります。

 

(単位:百万円)

 
2007/3期
2007/3期
2008/3期
2008/3期
2009/3期
2009/3期
2010/3期
2010/3期
 
平成18年度
平成18年度
平成19年度
平成19年度
平成20年度
平成20年度
平成21年度
平成21年度
 
正味財産
収支計算
正味財産
収支計算
正味財産
収支計算
正味財産
収支計算
事業収益
12,621
12,621
12,847
12,847
13,598
13,598
11,293
11,293
登録料
1,924
1,924
1,975
1,975
1,987
1,987
2,009
2,009
その他
574
574
1,630
1,630
678
678
871
871
経常収益 合計
15,119
16,452
16,263
14,173
その他調整
9
-960
5
0
事業収入 合計
15,128
15,492
16,268
14,173
事業費
12,366
12,366
12,869
12,869
13,093
13,093
11,464
11,464
管理費
2,051
2,051
2,160
2,160
2,309
2,309
2,618
2,618
経常費用 合計
14,417
15,029
15,402
14,082
当期経常増減額
702
1,423
861
91
その他
0
4
0
0
経常外収益 合計
0
4
0
0
寄附金
0
165
200
506
その他
0
26
48
0
経常外費用 合計
0
191
248
506
税引前正味財産増減額
702
1,236
613
-415
法人税等
577
798
840
484
正味財産増減額
125
438
-227
-899
 
管理費調整
-386
-397
-437
-498
その他
1,686
979
1,050
965
事業支出 合計
15,717
15,611
16,015
14,549
事業収支差額
-589
-119
253
-376
特定資産取崩収入
2,520
1,051
268
645
その他
6
51
0
42
投資収入 合計
2,526
1,102
268
687
固定資産取得支出
312
472
469
248
特定資産取得支出
1,453
542
16
26
その他
62
60
13
10
投資支出 合計
1,827
1,074
498
284
投資収支差額 合計
699
28
-230
403
その他
0
0
0
16
財務支出 合計
0
0
0
16
財務収支差額 合計
0
0
0
-16
収支差額
110
-91
23
11

 

 上表より、さらに要約して正味財産増減計算書と収支計算書を(無理がありますが)1つにまとめてみると、以下のとおりとなります。

 

(単位:百万円、△はマイナス)

 
2007/3期
2008/3期
2009/3期
2010/3期
 
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
事業収益
12,621
12,847
13,598
11,293
登録料
1,924
1,975
1,987
2,009
その他
574
1,630
678
871
収益合計
15,119
16,452
16,263
14,173
事業費
△ 12,366
△ 12,869
△ 13,093
△ 11,464
管理費
△ 2,051
△ 2,160
△ 2,309
△ 2,618
費用合計
△ 14,417
△ 15,029
△ 15,402
△ 14,082
経常増減額
702
1,423
861
91
寄附金
0
△ 165
△ 200
△ 506
法人税等他
△ 577
△ 820
△ 888
△ 484
正味財産増減額
125
438
△ 227
△ 899
 
調整
△ 714
△ 557
480
523
事業収支差額
△ 589
△ 119
253
△ 376
特定資産取崩収入(純額)
1,067
509
252
619
固定資産取得支出
△ 312
△ 472
△ 469
△ 248
その他
△ 56
△ 9
△ 13
16
投資他収支差額
699
28
△ 230
387
収支差額
110
△ 91
23
11

 

 上表より、例えば以下のようなことが分かります。

 

・ 正味財産増減額がマイナスになる事業年度もあるが、寄附金などの増加によるものであり、経常増減額は毎期プラスであること。

 

・ 事業収支差額がマイナスになる事業年度もあるが、特定資産2 取崩収入などにより、収支差額はほぼ毎期プラスであること。

 

 また、最初の表から、収支計算書のみをまとめてグラフ化すると、以下のとおりとなります。

 

 

 このグラフより、例えば事業収入と事業費支出のバランスが重要であること、などが分かります。

 

アカウンティング・サマリー:正味財産増減計算書と収支計算書

 

 公益法人会計での正味財産増減計算書と収支計算書は、それぞれ、企業会計での損益計算書3 とキャッシュ・フロー計算書4 に対応していると言えます。5

 

 正味財産増減計算書とは、事業年度における正味財産のすべての増減内容を表示したものです。6 正味財産とは、公益法人が寄付によって受け入れた資産であり、公益法人が事業活動を通じて獲得した資産も含みます。正味財産増減計算書の構成は、以下のとおりです。7

 

区分
主な内容
(一般正味財産の部)  
(経常増減の部)  
経常収益 基本財産運用益、特定資産運用益、受取入会金、受取会費、事業収益、受取補助金等、受取負担金、受取寄付金、雑収益
経常費用 事業費、管理費、基本財産評価損益等、特定資産評価損益等、投資有価証券評価損益等
当期経常増減額
 
(経常外増減の部)  
経常外収益 固定資産売却益、固定資産受贈益
経常外費用 固定資産売却損、固定資産減損損失、災害損失
当期経常外増減額
 
当期一般正味財産増減額
 
一般正味財産期首残高
 
一般正味財産期末残高
 
(指定正味財産8 の部)  
指定正味財産増減 (上記経常収益・経常費用の主な内容参照)
当期指定正味財産増減額
 
指定正味財産期首残高
指定正味財産期末残高
正味財産期末残高

 

 一方、収支計算書とは、事業年度におけるすべての収入および支出の内容を表示したものです。収支計算書は、事業活動収支の部、投資活動収支の部、財務活動収支の部に3区分して作成されます。9

 

 2010年3月末時点では、収支計算書は公益法人の財務諸表(貸借対照表、正味財産増減計算書、キャッシュ・フロー計算書1011 ではないものの、「公益認定あるいは一般移行認可を受ける前」12 は、法人の管理運営上必要な資料として従来どおり収支計算書を作成して保存しなければならないことになっています。13

 

 

(お断り)
本ページの内容中で意見・見解を含む部分は、全て筆者の個人的なものであり、所属する会社や特定の団体の意見を代表するものではありません。本ページは、あくまで開示されている一部の情報を元に事例を研究することを目的に作成されたものであり、有価証券や金融商品の価値等についての助言、投資その他の勧誘、税務相談、法律相談等を行うことは目的としておりません。本ページは信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、内容及び情報の正確性や完全性等に関して、株式会社オフィス921は、いかなる責任も持ちません。本ページに記載された意見は作成日における判断であり、内容は予告なく変わる場合があります。

 

(脚注)

1 日本サッカー協会HPの「JFA」→「予算書・決算書」に「決算書」として掲載されている。
2 「特定資産とは、特定の目的のために使途、保有または運用方法等に制約が存在する預金、有価証券等の資産である。預金、有価証券等の金融資産以外に土地、建物等の固定資産も含まれる。」(「新公益法人会計の実務詳解」有限責任監査法人トーマツパブリックインダストリーグループ編 中央経済社刊 参照)
なお、日本サッカー協会の貸借対照表での、2010年(平成22年)3月末の特定資産残高は6,340百万円である。
3 損益計算書については「Jリーグ公式試合安定開催基金など」のアカウンティング・サマリー:貸借対照表・損益計算書 参照
4 キャッシュ・フロー計算書については「ユヴェントスのキャッシュ・フロー計算書」のアカウンティング・サマリー 参照
5 「フロー式の正味財産増減計算書と損益計算書」、「収支計算書とキャッシュフロー計算書」(いずれもあずさ監査法人HP「公益法人会計の基礎講座」)参照
6 「公益法人会計基準について」内閣府公益認定等委員会 参照
7 「「公益法人会計基準」の運用指針」内閣府公益認定等委員会 参照
8 「寄付によって受け入れた資産で、寄付者等の意思により当該資産の使途について制約が課されている場合には、当該受け入れた資産の額を、貸借対照表上、指定正味財産の区分に記載するものとする。」(参照は6と同じ)
9 参照書籍は2と同じ
10 キャッシュ・フロー計算書が必要となる公益法人は、公益認定あるいは一般移行認可を受ける前では大規模法人(前事業年度の貸借対照表の資産合計額が100億円以上または正味財産増減計算書の経常収益の合計額が10億円以上の法人)、もしくは公益認定後に会計監査人を設置する公益社団・財団法人である。(参照書籍は2と同じ)
11 参照書籍は2と同じ
12 参照書籍は2と同じ。詳細は「スポーツ団体と公益法人改革」参照。
13 「新公益会計基準適用に伴う収支予算書及び収支計算書の取扱いについて」2005年(平成17年)11月 非営利法人委員会研究報告第15号 日本公認会計士協会 参照

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